トリックスターズD

トリックスターズD (電撃文庫)

トリックスターズD (電撃文庫)

佳作。魔術によって校舎に閉じ込められた推理小説研究会の面々を襲う怪異。至極単純に考えれば真相に気づくのは容易だが*1、丁寧に書かれているので好感が持てた。ただ、やはり長いという印象は否めない。
同様の設定(封鎖された校舎で学生たちを襲う怪異)で書かれた時無ゆたかの『明日の夜明け』(角川スニーカー文庫)や辻村深月の『冷たい校舎の時は止まる』(講談社ノベルス)よりもミステリ的に設定に意味があるのも好感触。

*1:大ネタは高木彬光に有名な作例がある。内田康夫も長編でこの仕掛けに挑んだことがあり、「あの内田康夫が」と驚かされた。