黙過の代償

黙過の代償 (講談社ノベルス)

黙過の代償 (講談社ノベルス)

内容を云々するより、まず文章が読みにくく、大いに改善の余地がありそう。それからこれは編集部側の姿勢の問題なのだが、登場人物表をつけようという発想は生まれなかったのだろうか。奥付が偶数ページに入っているのも奇妙。しかも、刊行前からこの作品の大きなネタがネットで報道されていたのだが(いくら読み進めてもその情報が出てこなくて戸惑った)、どうしてそういうことになってしまったのだろうか。
なお、著者写真下に記載されている〈2005年、講談社ノベルスから発行している雑誌『メフィスト』が選考する第33回「メフィスト賞」を本作で受賞し、デビューとなる〉という文章も、もうちょっとなんとか……。日韓同時発売も結構だが、まず先に丁寧な本作りを心掛けてほしいと思う。