はじまりの島
- 作者: 柳広司
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2002/06
- メディア: 単行本
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個人的には『黄金の灰』のほうが好みではあるが、総合点ではこちらのほうが断然出来は良い。いろいろ伏線を埋め込もうと努力しすぎたためか、中盤では展開がきわめて判りにくくなっているし、細かな出来事を逐一覚えていられなくなるのがマイナス。しかしこれほど凝ったミステリを書こうという情熱は充分に評価に値する。面白かった。閉ざされた舞台で異様な動機を描こうとする点は山口雅也に近いものがある。
しかし登場人物は相変わらず薄っぺら。人物像が浮かんでこなくて難儀した。