殺してしまえば判らない

殺してしまえば判らない

殺してしまえば判らない

本書の良さが判らない。
『みんな誰かを殺したい』(角川書店)で横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞した作家の受賞第一長編。『みんな誰かを殺したい』には好感を持ったのだが、しかし本書は同じ作者が書いたものとは思えないほど稚い出来で、粗はいくらでも目につくが褒めたいところは見つからない。三十四歳無職の主人公の一人称が片仮名の「ボク」という段階から既に受けつけないものがあるのだが、女装趣味の探偵役にも魅力は無く、犯人も想像どおりで……。
繰り返すが『みんな誰かを殺したい』には好感を持ったので、何か読み違えているのか?と自分の読みに疑問すら感じてしまった。これ、本当にシリーズ化するのか?