君のための物語
- 作者: 水鏡希人,すみ兵
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2008/02/10
- メディア: 文庫
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19世紀末から20世紀初頭のロンドンがモデルと思しい街を舞台に展開される、人ではない美青年と、作家志望の「私」の物語。設定が好みなので手に取ったものの、ほとんど期待していなかったのだが、予想に反してこれはちょっとビターな要素も含まれた佳作だった。人外美青年が、天使でも悪魔でも神でも化物でもなく(いや、作中では「化物」と言われたりもするけれど)、完全無欠というよりは、ある意味「こうなるはずじゃなかった」という存在なのが面白い。性格設定もなかなか魅力的で、これは続刊が出たら読んでみよう。
なお、作中で主人公の青年が「怪奇探偵」という短編を執筆していて、思わず「『幽霊狩人カーナッキ』みたいなものか?」と考えてしまった。懐かしいなあ。